2018年10月06日
高度経済成長以後、会社や団体では年に1、2回、職場のグループ単位で懇親や慰安目的に温泉保養地まで1泊の団体旅行に出かけるのが習わしでした。温泉地のホテルや旅館、その他、観光地の関連産業は大都市圏のサラリーマンが職場単位などで大挙して訪れてくれるので大きな収益源になっていたはずです。
このため、大都市圏近くの温泉地は現在と比較にならないくらい賑わっていました。参加する従業員もこの日だけは役員まで含めて上下に関係なく無礼講で大騒ぎできる上に費用は所属する職場の丸抱え負担だったので、気楽に温泉宿泊旅行を楽しめたわけです。
ところが、バブル崩壊後の“失われた20年”と言われた景気不透明な時期を境にして会社や団体にはこうした費用を負担する余裕がなくなり、職場全体で出かける旅行は一気に廃止されてしまいました。その代わり、職場内で旅行好きな有志が参加を募り、自己負担により懇親目的で出かけるようになりましたが、旅行先は温泉とは限らず、ゴルフパックツアーやハイキングツアー等へと多様化していきました。会社や団体の1泊温泉旅行がこのように変化した状況を見て大手旅行各社も早速、団体旅行のプランを練り直して様々なパックツアーを編み出す企画を打ち出しました。